糖尿病治療の詳細
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糖尿病の薬物治療は
どんなもの?糖尿病の薬物治療は、年々進歩しています。具体的には飲み薬、注射薬、インスリンがあり、個人個人の特徴に合わせた治療をおこなうことが大切です。
例えば、肥満のある方には、体重増加を抑える作用をもった治療薬がよいかもしれません。
腎臓や心臓がダメージを受けている方には、そうした臓器を保護する作用を持つ薬がよいでしょう。
年齢や他の持病によっても、薬は変わります。当院の糖尿病治療では、個々人の体の状況を見極め、薬を細かく調整していきます。
ところで皆さんは、インスリン注射についてどのようなイメージをお持ちでしょうか?
「インスリンは最終手段」「インスリンを始めたらもう終わり」などと誤解している人が少なくありません。
インスリンは、本来は膵臓から自然に分泌されるホルモンですが、糖尿病の方の中には、インスリンの分泌量が落ちてしまっている方が過半数います。
それを飲み薬で補正するわけですが、飲むインスリンは存在しません。「インスリン注射を開始したからインスリンがやめられなくなる」のではなく、「インスリンが必要な段階だからインスリンを開始する」のです。
糖尿病の治療の目的は、薬を飲まない、インスリンを打たない、ことではなく、最小限のお薬やインスリンで高血糖を防ぎ、合併症を防ぐことなのです。
食事療法は小さな工夫から
コツコツと食事療法は、糖尿病治療の土台です。どんなに良いお薬を使っても、食事療法が守られていないと、効果がみられないどころか、体重がふえるなどかえって悪影響を及ぼすこともあります。
しかし、いわゆる暴飲暴食が良くないことはわかりやすいですが、漠然と「食事に気をつけて」といわれても、なにをどうすればいいか、とまどう方も多いでしょう。
「食事を減らすと力が入らない」という方もいます。しかし糖尿病の患者さんは、たくさんカロリーをとっても、本当に必要な内臓には届かず、血液中をぐるぐるまわって、血糖値をあげるか、貯蔵庫の脂肪組織にためられ体重が増えるだけなのです。そのため、カロリーを取りすぎず、血糖値をあげず内臓に届けるほうが、からだにとって良いのです。
「仕事の都合で食事時間が不規則で、夜食も欠かせない」
「わかっていても、おなかがすいて間食はやめられない」
「外食が多くて食べるものが選べない」
などと困っている方もいると思います。
食事療法には、カロリーだけではなく、栄養素のバランス、食事時間、食べる順序、食べる速度、など、ポイントはいくつもあります。できるところから工夫してみましょう。
たとえば、外食の際にも丼物のような炭水化物だけでなく、タンパク質、野菜などバランスよく食べられるメニューを選ぶ方がいいでしょう。同じ食事でも、早食いでなくゆっくりよく噛んで食べると、血糖値だけでなくからだにとってよい効果がありますし、「ベジ(野菜)ファースト」の順番で食べるほうが、血糖値の上昇を緩やかにすることが知られています。
せっかく気をつかっても、量の割にカロリーの多い揚げ物や糖分の多い果物で、努力を帳消しにしてしまわないように、週何回までなど決めるといいでしょう。
食事は毎日のことですし、人生の楽しみの一つでもあります。当院では、一人ひとりのライフスタイルに合った具体的な方法を、ご一緒に考え、提案してゆきたいと思います。
運動療法
運動はそれ自体に血糖値を下げる働きがあり、糖尿病の治療にとても有効です。
ただ「糖尿病治療の3本柱の一つ」と言われると、ちょっと驚く方もいるのではないでしょうか。
実は、運動には、単にカロリーを消費するだけでなく、特に長期間続けることにより、とても多くの作用があることがわかってきました。インスリンが効きやすくなる(インスリン抵抗性が改善される)ほか、内臓脂肪が減ることで、糖尿病以外の生活習慣病の予防・改善にもつながりますし、免疫力も向上すると言われています。
特に高齢者で問題になっている、「サルコペニア」という筋肉量の減少を防ぐ効果もありますし、もちろん気分転換にもなり、精神的な面でもいい影響があります。
糖尿病の方の運動としては、筋力トレーニングなどの無酸素運動、体全体を動かす有酸素運動、どちらも有用です。その方の生活習慣や体力、によって様々な選択肢があり得ます。
毎日座ってばかりという方は、まず有酸素運動のウォーキングから始めてみませんか。1回15〜30分程度、1週間に3回以上できれば素晴らしいです。
万歩計をつけて、自分がどの程度歩いたのかを、フィードバックすることが大切です。通勤などですでに歩いている方は、スピードを上げて早歩きにする、エスカレーターではなく階段を使うなど、負荷を上げていくとよいでしょう。
筋力トレーニングは、スクワットなどがおすすめです。道具も入りませんし、テレビを見ながらでもできますね。 昔からあるような、テレビ体操、ラジオ体操なども、短時間で効果が期待できます。また最近では高齢者でもできるような、バランス運動、も効果があるとされています。
ご飯を食べられなくても、
薬は必要シックデイという言葉を聞いたことがありますか?
シックデイとは「感染症などによる体調不良で食事が取れない日」を指す言葉です。
シックデイの時は、食事を摂っていなくても普段よりも血糖値が高くなることが多いのです。日頃はきちんと血糖コントロールができている人でも、シックデイは高血糖になることがあります。
「食事を摂っていないし、インスリンは打たなくていいだろう」「糖尿病の飲み薬は飲まない方がいいだろう」という自己判断はとても危険です。
シックデイには、以下のことを意識してください。
- 水分を十分摂りましょう。
- インスリンは、中断しないで、できれば血糖値を測りながら打ちましょう。
- こまめに血糖値を測り、経験したことのない高血糖値の時には医療機関に連絡ください。
- 飲み薬は、医師の指示に従って内服しましょう。
シックデイの時はどうしたらよいか、あらかじめ主治医と約束事を決めておくと安心です。
糖尿病を手術で治す!?
減量・代謝改善手術肥満をともなう糖尿病の治療法として、手術による「外科療法」があります。
手術と聞くと、皮下脂肪を除去する「脂肪吸引」をイメージする方も多いでしょうが、ここでいう手術は、食べ物の通り道の消化管に手を加えるもので、全く異なります。
胃をバナナのような形に小さくする手術(袖状胃切除術)は、保険適応になっています。
もう一つ、食べ物が胃や十二指腸を飛び越して小腸に到達するようにするバイパス術もあります。これらは、体重を数十キロも減らすことができ、高度な肥満に対する手術として海外ではとても盛んに行われていますが、糖尿病も劇的によくなることが知られており、「一石二鳥」というわけです。
日本でも少しずつ広まりつつあり、2021年に「減量・代謝改善手術」という呼び名が決められ、今後糖尿病の有力な治療法の一つになると期待されています。当院でもご興味のある方には、ご説明ご紹介しますので、ご相談ください。
糖尿病の移植医療!?
糖尿病は、将来的には治る病気になるかもしれない、ということをご存じですか?
糖尿病治療の一環として、移植医療が始まっているのです。現段階では、1型糖尿病の方のみが対象で、移植を受けるには条件があるため、誰でも受けられるというものではありません。
それでも、「膵臓移植・膵島細胞移植」が将来的に進歩していけば、糖尿病治療がさらに大きく変化することになります。
診療予定表
概要
院長 | 安田佳苗 |
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副院長 |
安田和基 (杏林大学内科学教授ー糖尿病) |
スタッフ | 5名 |
標榜科 | 糖尿病内科、一般内科 |
所属・資格 |
日本糖尿病学会認定、糖尿病専門医・研修指導医、 日本内科学会認定、総合内科専門医 |
住所 |
〒125-0062 東京都葛飾区青戸3丁目30-5 |
電話 | 03-5680-5533 |
連携医療機関 |
慈恵医大葛飾医療センター 東京都立東部地域病院 東京大学医学部附属病院 朝日生命成人病研究所附属病院 など |
診療時間
診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日祝 |
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9:00 〜 12:00 (初診は11:30まで) |
● | ● | ● | 休 | ● | ● | 休 |
14:00 〜 18:00 (初診は17:30まで) |
● | ● | ● | 休 | ● | ● | 休 |
※休診日:木曜、日曜日、祝日
※当院は予約優先で診療を行っています。
※ワクチン予約はお電話でお願いします。
※当院では風邪症状など「発熱専門」の外来は行っておりません。
糖尿病患者さんの重症化リスクが高まるため、発熱(風邪症状)の患者さんは事前にお電話でのご予約をお願いします。糖尿病患者さんの予約のない時間になるため、枠が少ないことをご容赦願います。また予約なしでご来院の場合、隔離施設がないため大変お待たせすることがございますのでご理解をお願いいたします。詳細はこちら
・診療には各種カードがご使用いただけます。